退職したら同業他社に就職できない?
「私は先日会社を退社しましたが、
退社する際に誓約書を書かされ、
『退職後は同業他社には就職しない』
と約束をさせられました。
これまで同じような仕事ばかりをしてきて、
同業他社に転職できないというのは困るのですが、
一生同業他社への就職ができなくなってしまうのでしょうか」
一度,会社に入ると,
その間は職務専念義務や
会社の利益を守る義務(競業避止義務)
が生じますので,
同業他社への就職は,
一般的にその義務違反になります。
それでは,会社を退職した後にまで,
同業他社になぜ就職するなと言ってくるのか。
多くの場合,その理由は,
会社で知り得たノウハウや知識を生かして,
同業他社(=ライバル社)で働かれると,
前の会社が不利益を受ける恐れが高いからです。
特に専門的な職務を任されていた場合には,
それが顕著になります。
不正競争防止法などで,
専門知識をスパイのように他社に漏らした場合には
責任を負う事になっています。
それ以上に,就職自体を禁止することは,
その人の仕事を奪うことになりかねません。
憲法でも,個人に職業選択の自由が与えられています。
そこで,業務の内容などにより,
一時的に制限することは許されると考えられています。
例えば,
半年から2年程度は許容される可能性があります。
しかし,あくまで
制限することに意味があるかがポイント
になってきます。
労働問題については,
弁護士野澤が重点的に取り扱っておりますので,
是非お気軽にご相談ください。
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